
3月のApple Eventが終了した。昨年9月のイベント時の新製品と比べるとあまりインパクトのないような製品が多いものの実用的な進化をした製品が多く登場した。この記事では、今回のイベントで発売された製品、注目の機能について、この記事ではまとめていこうと思う。
いきなり雑談:今回のイベント閲覧方法について
僕は2021年4月21日のApple Eventから生でApple Eventを視聴するようになったが、Apple Eventといえばもちろんあれ。
そう。Appleイベントの楽しみ方は十人十色で、イベントが開催される時間が、日本の時間でいえば深夜なので、個人個人のさまざまな楽しみ方があるのだ。イベントのために徹夜する人もいるだろうし、次の日の朝に確認しようとさっさと寝てしまう人もいるだろうし、一人ゆっくりと楽しむ人もいるだろうし、好きなYoutuberさんのライブ配信を見ながらワイワイする人もいるだろう。もちろん、自分でライブ配信するという方法もあったりする。ということで、僕が今回のAppleイベントを閲覧した方法をまとめていく。
まず、閲覧端末はiMac(2020)。Apple製品随一の大画面・高画質と高音質が、一年に3、4回という数少ないAppleイベントの臨場感を1ランク上の体験にする。
そして、iMacを使用したイベント閲覧の最大の醍醐味がSplit View。これを使えば、二つの画面をどちらも画面が大きいまま楽しむことができる。僕の場合、Appleイベントの画面を画面左半分に表示し、僕の大好きなYoutuberさんである「Apple信者1億人創出計画」管理人のぬふぬふさんが行ったライブ配信を画面右半分に表示して楽しんだ。この組み合わせは、左側から聞こえるApple独特の上品な演出と、右側から聞こえるぬふぬふさんの怒りの舌打ちや関西弁、Apple愛溢れる名言たちのハーモニーという強烈な組み合わせだが、この唯一無二の強烈な組み合わせが個人的には最高なので、興味が1%でも出た人は、騙されたと思って次回のAppleイベントをこの組み合わせで楽しんでみてほしい。
Apple Eventのリンク↓
「Apple Event 2022年3月9日」
「Apple信者1億人創出計画」で行われたYoutubeライブ配信のリンク↓
ここからが本題:今回のApple Eventで発表された5つの新製品
今回のApple Eventで発表された製品は以下の5つ。
・iPhone 13シリーズに新色「グリーン」登場
・iPhone SE3
・iPad Air 5
・Mac Studio
・Studio Display
はっきり言って特に驚くような製品はないし、「狙っていた製品だった」場合でなければ買う必要は全くない。iPhone 13シリーズの新色はノールックで欲しくなってしまうレベルの美しさだが、iPhone SE3とiPad Air 5は「周囲の製品に合わせてとりあえずスペックバランス取って新型出します」感しかない上に、Mac StudioとStudio Displayについては、本体とディスプレイが分離した影響によって実質先代の27インチiMacから強烈なコスパ悪化となってしまったことが大きく目立つ。
新製品①iPhone 13シリーズに新色「グリーン」登場
2021年4月21日に行われたイベントでも当時最新のiPhoneであったiPhone 12に新色「パープル」を追加していたが、今回のイベントでもiPhone 13に新色「グリーン」を追加した。
そして、今回の新色が昨年のものと大きく異なるポイントが、「通常モデルとProモデルどちらのiPhoneにもグリーンを追加したこと」だ。
昨年のイベントではiPhone 12 Proには新色を追加しなかったのに対して、今回のイベントではiPhone 13 Proにも新色「アルパイングリーン」を追加したのだ。
ただし、一つ注意点がある。それは、iPhone 13の「グリーン」は前モデルのiPhone 11、iPhone 12と比べてかなり暗い色になっているため大きく差別化されているものの、iPhone 13 Proの「アルパイングリーン」はiPhone 11 Proの「ミッドナイトグリーン」と比べ、iPhone 13とiPhone 12の「グリーン」ほどの大きな差がないということだ。
もしもこの記事を読んでいるあなたが高級感のある暗めのグリーンのiPhoneが欲しいと思っているのなら、値下がりしているiPhone 11 Proを狙うのもありかもしれないと個人的には思う。中古製品に抵抗がなければ、高級感のあるグリーンを搭載したiPhoneが大幅に安く手に入る。
グリーンの色味をApple公式サイトで比較↓
「iPhone 11 vs iPhone 12 vs iPhone 13 -Apple(日本)」
「iPhone 11 Pro vs iPhone 13 Pro vs iPhone 13 -Apple(日本)」
新製品②iPhone SE3
・A15チップ搭載によるチップ性能向上
・カラバリ変更
※iPhone SE2・・・ブラック、ホワイト、(PRODUCT)RED
iPhone SE3・・・ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT)RED
・5G対応
・Deep Fusion対応
・スマートHDR4対応
・1080pスローモーションビデオ(120fps)対応
・バッテリー持ちの向上
マイナーアップデート。iPhone 6から続く4.7インチモデルをどうにか延命している感があり、その間に他社スマホの性能も向上し続けたことによりほぼほぼ時代遅れのようなデバイスとなっているため積極的に勧めることは難しく、しかも今回値上がりもしているためさらに微妙。発表前から狙っていなかったのならば買う理由は全くない。
そもそも、いつまで4.7インチのiPhone SEを販売し続けるのだろうか。Touch ID搭載のシンプルなエントリー機種として位置付けたとしてもこんな中途半端な価格と少ないカラバリで売り続けるのなら、1日でも早く最新機種は全機種Face ID搭載として、その分Face IDに驚くような新機能を搭載した方がユーザー満足度も上昇するのではないかと思う。
また、液晶サイズも大きな理由だ。4.7インチでPlusサイズがないため視力的な問題や画面の小ささによる目の疲れで勧めにくくなると言う事例もあると思う。
Plusサイズが発売されれば完璧だとは思うものの、miniとサイズが被りすぎるため発売は絶望的というところだろうか・・・
新製品③iPad Air 5
・M1チップ搭載によるチップ性能向上
・カラバリ変更
※iPad Air 4・・・シルバー、スペースグレイ、ローズゴールド、グリーン、スカイブルー
iPad AIr 5・・・スペースグレイ、ピンク、パープル、ブルー、スターライト
・センターフレーム対応
・5G対応
・USB-C端子の性能向上
・絞り値がf/2.2→f/2.4に向上
M1チップ搭載以外は想定されていたアップデートだが、M1チップの搭載によってAir 4時代から続く「Pro殺しのAir」と言う印象はさらに強くなったように思う一方、「だったら値下がりしてきている型落ちProで良くない?」と言う印象も強くなってきている。ストレージオプションにライトユーザー向けの128GBやM1搭載に相応しいヘビーユーザー向けの1TBが存在しないということをはじめ、個人的にはApple側のカスタマイズオプションの設定クオリティも最低レベルで、製品自体もチップ性能だけが突出してオーバースペックと近年発売された製品で一番と言っていいほどシェアを捉えきれていない。もはやターゲット層がどこなのかわからないレベル。
ただし、見た目の話では別。2020年モデルからのiPad Proはカメラ部分が大きくなり見た目が2018年モデルより劣っていると言う評価も多かった。さらに、iPad Air 4がカラバリ登場したことにより見た目でProを買うという事例はかなり少なくなり今回の発表でもその流れが踏襲されている。どれを買おうか迷っている人たちへの印象はかなり良いものではないだろうか。
もし一つ注意点を挙げるならば、「今回のiPad Air 5はイベント映像で見る限りiPad Air 4よりかなり高級感のある暗めの色になっているため、Air 4ほどポップではないかもしれない」ということだ。公式サイトで見る限り、カラバリ面でのProとの差は多少縮まったように見える。2022年版iPad Proのスペックやカラバリが不明な2022年3月現在で考えるならば、カラバリとチップ性能を重視する人はAir 5、総合的なハイバランスを重視する人は型落ちProを狙うというものでいいのではないだろうか。
新製品④Mac Studio
・実質的にはMac miniの性能向上版
・M1 MAX or M1 ULTRA(リーク上で出回っていたM1 MAX Duo)
・高い放熱性能をアピール
・大幅な拡張性強化
・27インチiMac後継とMac mini Proを兼ねている
後述するStudio DisplayとともにiMac(2020)の後継モデルとして発売された。リークで出ていた「Mac mini Pro」という名前ではなかったものの、Mac miniをデスクトップ用Apple Siliconに合わせて強化したようなものである。簡単に言えば、Intel時代から騒がれる放熱問題を超々大型のファンを搭載し対策した上で、従来27インチiMacが担っていたMacBook Pro 15インチ最上位モデルより1ランク高い性能を搭載したデスクトップ用Apple Silicon搭載Mac miniである。端子も非常に増やされており、デザインや値段はさておき安定したデスクトップが欲しいという人をターゲットにしている製品だと思われる。
聞こえはいいものの、ディスプレイと本体を分離させたことによるコストアップに新規開発した筐体の開発コストが重なったのだろうか、吊るしでも249800円というかなり高い価格となってしまった上に、後述するStudio Displayとの購入で約45万円とiMacほぼ2台分の価格となっている。しかも購入後のメモリ増設は不可能となっているため、実際には大幅に値上げされたようなものとなっている。
どうみても一般ユーザーには必要なし。ただし、放熱性能の上昇はMac mini Proを待ち侘びていた人たちにとっては朗報ではないのだろうか。
新製品⑤Studio Display
・iMacとほぼ同性能の27インチ5Kディスプレイ
・A13チップ搭載
・センターフレーム対応
・空間オーディオ対応
前述したMac StudioとともにiMac(2020)の後継モデルとして発売された。Pro Display XDRの廉価版とも言えるが、吊るしでも199800円と言う値段なのはどういうことなのだろうか。
PCが内蔵されていた27インチiMacとほぼ同額でディスプレイだけを購入できると言うのは実際には大幅値上げと同様のものになる。その分拡張性が確保されているのかと思えばUSB-C端子のみ搭載と絶望的な拡張性しか搭載していない。
はっきり言って購入価値は0。今持っているMacがよほどスペックに余裕がある人が作業環境を1クラス上の物にしたいという目的以外なら中古のiMacや他社のディスプレイ購入した方がコスパは圧倒的に上。
ちなみに・・・
あまり注目されていないが、他にも発表された新製品や確定情報がある。それがこちら。
・Apple Watchのバンドに新色登場
・Magicシリーズアクセサリに新色「ブラック」が登場
・Mac Proの標準構成が変更・Radeon Pro W6600Xが選択可能オプションに追加
・イベント後半にApple Silicon搭載Mac Proの近日(とは言ってもおそらく6月か9月)発表を示唆
一番の注目はMagicシリーズアクセサリのブラック追加。Proシリーズへの憧れが購入意欲を爆発させる。Apple Watchのバンドも注目。Mac Proシリーズ関連の動きはあまり注視する必要はないと思うが、すでにWWDCが楽しみ。
個人的に発表して欲しかった製品
個人的にきて欲しかった製品はこれ。
・AirPods Pro 2
・iPad mini Pro(iPad Pro 8.3インチ)やiPad Proへのカラバリ追加
・iPhone XデザインのiPhone SE 3
・Apple純正ディスプレイ(iMacWindows機やゲーム機等も多数接続可能な10〜15万円程度の価格帯)
AirPods Pro 2発売は今回のイベントに大きな期待があったからこそあったものだが、個人的にも欲しいし楽しみにしていた。iPad Proにも高級感のあるカラバリが追加されたりサイズ追加されたら盛り上がっただろうとも思える。
iPhone SEも前述の通りそろそろiPhone X系のベゼルレスデザインに変更して欲しいとも思う。無印iPadと共にそろそろ大幅なスペックアップはして欲しいところだが。。。
Apple純正ディスプレイは発売されたものの、Pro Display XDRもあるのだからもう少し安価でライトユーザーが使いやすいものの方が良かったのではないだろうか。Mac miniと合わせるにもHDMI端子がないことが足を引っ張っている上に、Mac2台持ちをやめて高性能MacBook+ディスプレイにしたとしても結局2台分と同じくらいの爆弾価格になるのが大きな問題点。
総評:狙っていなかったならば無理して買う必要なし。ただし、WWDC次第で商品価値が大きく変わるかも。
今回の製品は些細なところで使い回しが多く、リークが当たりすぎている上に一部の製品は誰をターゲットにしているかもわからないようなものもあったため最近のイベントの中では奇妙なものだと感じた。しかし、長い期間iPhone SE3、iPad Air 5、Mac mini Proのリークを見て待ち続けたユーザーにとってこれ以上の朗報はなかったのではないだろうか。実際、僕も9月のApple Eventで、半年待ち続けたiPad mini 6が発表された瞬間は全神経が麻痺したかのように喜んだし、あの嬉しさは半年経っても鮮明に覚えている。さらに、ブラックアクセサリーの発売、Apple Silicon搭載Mac Proの発売示唆、ユニバーサルコントロール公開確定による次回WWDCへの期待の増加など、ガジェオタにとって期待値がMaxになる部分もあった。
今回、僕はイベント前に突如発表された「Apple信者1億人創出計画 Youtube メンバーシップ ぬふれんず」の加入に留まった。とりあえず1年分の料金を家族に渡し、幸せなぬふぬふライフを過ごしていこうと思う。また、僕のiMac(2020)がIntel&りんご顎搭載を搭載した最後のMacになる可能性も高くなってきたので、今まで以上に大切にしようと思っている。そろそろ長期使用レビューも書こうと思う。
この記事を最後まで読んでいただけたあなたは、今回のイベントで待ち侘びていた製品が発表されただろうか?そして、6月のWWDCにどのような期待を持っただろうか?もし少しの時間があれば、この記事のコメント欄に書いていただけるとありがたい。
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