
僕はHHKBをメインとして使用している。HHKBは究極のタイピングを体験できる数少ないキーボードだが、値段も非常に高い。それだけに、HHKBに興味を持った人、購入検討を始めた人たちが名前通りの幸せなタイピングができるようにするため、それぞれのモデルのメリットとデメリットを包み隠さず伝えていこうと思う。
まず結論。この記事読んでいる暇があるなら・・・
もう説明している時間すら無駄なので、「2021年6月現在、買うべきHHKBのモデルは?」に対しての結論を出そうと思う。
HHKBを購入したいと思うのなら究極のタイピング体験に興味があるはず。それなら、「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 英語配列/白」を今すぐ買うべし!
理由は簡単。この製品には大きなデメリットがないからだ。HHKBは高級キーボードであるため、デメリットはもともと少ない。しかし、モデルごとに小さな欠点は存在する。一生涯使えるような性能を持つキーボードを買うのだから、最初から欠点のほぼない最強モデルの購入をお勧めする。
しかし、無駄な出費を抑えるためにも、時間がある人にはこの先の内容にも目を通して欲しいと思っている。
HHKBの最新モデル
現在発売されているHHKBのモデルは以下の通り。
HHKB Professional HYBRID Type-S
言わずと知れた最強モデル。2019年のフルモデルチェンジにより発売された、いわば究極のHHKB。
Bluetooth4台、USB1台の接続が可能な高い接続性、高速なタイピングを可能とする静音スイッチ「Type-S」が採用され、いつでも、どこでも、究極のタイピング体験ができるフラッグシップモデル。
HHKB Professional HYBRID
先ほど説明したHYBIRD Type-Sから、静音スイッチ「Type-S」がなくなっただけのモデル。
接続性は変わらないが、非静音スイッチとなるため、静かな場所でのタイピングはほぼ不可能になる。
価格差は5000円となるため、キーの静音性を求めないならコストパフォーマンスはまあまあ高いと言える。
HHKB Professional Classic
どうみても時代遅れのUSB接続限定モデル。それ以外の何者でもない。高額な値引きもなく、旧モデルの方がコストパフォーマンスは圧倒的に上。
セール対象になる可能性もある旧モデル
現在も旧モデルがセール対象になったり、中古品として格安販売される。自分に合うものを選べば、最新モデルを購入するよりも安く、同等の快適性を手にすることもできるため、絶対に確認しておくべき。
HHKB Professional 2
最新モデルの半額で購入できる場合もあるコストパフォーマンス最強モデル。有線接続限定であることは欠点だが、もしもあなたがHHKBを自宅のPCデスクでしか使わないなら、これでも十分すぎる。
HHKB Professional 2 Type-S
前述のPro 2に静音スイッチ「Type-S」が採用されたモデル。2011年に発売され、2019年のフルモデルチェンジまでの長期間の間、フラッグシップとして君臨し続けたモデルでもある。ただし、Pro 2ほどのコストパフォーマンスは感じない。理由は簡単。静かな場所で実力を発揮する静音スイッチと、打鍵音が静かである必要のない有線接続限定の組み合わせだからだ。
HHKB Professional BT
2016年に発売された、Bluetooth初搭載のHHKB。Pro 2 Type-Sとともに2019年のフルモデルチェンジまではフラッグシップモデルとしてラインナップされたモデルでもある。
Pro HYBRIDとはBluetoothの性能・USB接続の有無という差はあるものの、セール対象にもなりやすく、中古品も手に入れやすい。タイミングを見極めることができるのならば、非常にコスパの高い製品であることは確か。
HHKB Lite 2
廉価版であり価格は安く見えるが、絶対に購入すべきではないモデル。キーボードとしての価値は高いがHHKBとしてみれば価値はほぼ0。
比較ポイント
ここから、様々な比較ポイントを1つずつ解説していく。
Pro?Lite?
Proモデルは静電容量無接点方式、Liteモデルはメンブレン方式が採用されている。
一般的に有名なキーボードのスイッチは、4つの方式が挙げられる。
・デスクトップPCに付属するキーボードや、低価格帯のキーボードに採用されているメンブレン方
(Liteモデルが採用)
・ノートPCや薄型キーボードでの採用が多いパンタグラフ式
・高級外付けキーボードやゲーミングキーボードでの採用が多いメカニカル式
・最高級外付けキーボードで採用される、物理的な接点が無い静電容量無節点方式
(Proモデルが採用)
Liteモデルは打鍵感が全く違う上に、Proモデルと違うところも多い。はっきり言ってこれはHHKBではない。そのため、全くお勧めすることはできない。
せっかくHHKBを購入するのだから、ここは妥協することなく、静電容量無接点方式を採用したProモデルをおすすめしたい。
JIS配列?US配列?
配列に関してはこちらの記事がものすごく参考になる。
※MacBook Proとなっているが、基本的にはJIS・USどちらのキーボード配列がいいかというお題になっているため、一度は読むべき。
MacBook Pro日本語or英語配列キーボード問題。答えはただ1つ。(Apple信者1億人創出計画)
それに加え、「HHKBについては独立したカーソルキーの有無」についてよく意見が分かれる。
※JIS配列はカーソルキーが独立しているが、US配列はfnキーとの同時打鍵での入力が必要となる。
これについて、僕はこのように考える。
「せっかくホームポジションで打鍵できるようになってるのに、頻繁に使うカーソルをわざわざ端側に独立させる?」と。※もう一度言いますがあくまでも自論です
カーソルキーを打つたびに毎回毎回ホームポジションから手を動かすなんて、せっかくのHHKBが台無し。JIS配列を選ぶくらいだったら他のキーボードの購入をおすすめする。
ホームポジションから手を動かさずに打鍵できるのがHHKBの唯一無二の特徴であり最大の強み。だからこそ、絶対にUS配列をおすすめする。
※US配列には無刻印モデルが存在するが、見た目が最高すぎる上に所有していることの満足感がMAXになるので、タッチタイピングができる方には超おすすめ。しかし、数字や記号で戸惑う場合はないとは言えないので、そこには要注意。
静音?非静音?
この記事でも説明したが、静音モデル「Type-S」はかなり静か。静かな場所でも打鍵ができる上に、高速打鍵も快適で、手応えが感じにくいという問題点を除き文句なし。
ただし、非静音モデルの持つ味もいいのだ。そのため、「100%Type-Sにすべし。」とは言えない。
僕としては、とりあえずType-Sを購入し、非静音モデルにも興味が出たらそのタイミングで非静音モデルを購入する。という買い方をお勧めしたい。なぜなら、購入後に静かな場所でHHKBを使いたくなる事例もあるため、とりあえず最初に買うキーボードは静音モデルを選んでおくのが確実と思われるからだ。
※ただし、静音モデルの手応えの感じにくさがあまり好みではなかったという人もかなり多い模様なので、できれば試打をするのが一番確実。
USB?BT?HYBRID?
現在、HHKBには3つの接続方法が存在する。
USB・・・有線限定のモデル。PCのみでの使用なら、チャタリングの心配もないし、値段は安いし、確実とは言える。しかし、ケーブルが断線する可能性があること、スマホやタブレットで使いにくいことなどを考えると、やはり時代遅れかもしれない。
BT・・・無線接続限定のモデル。有線限定モデルと、メリットとデメリットが入れ替わるだけ。USBよりはお勧めしやすいかもしれない。
HYBRID・・・USB接続も可能でBT(Bluetooth)接続もできる完璧モデル。値段が高いことだけが欠点。
基本的に、一番失敗確率が少ないHYBRIDモデルがお勧め。
ただし、有線接続しかしない、無線接続しかしないというのなら、用途・目的に合わせて購入することで、HYBRIDモデルよりも安くHHKBを購入できると思う。
※BTモデルにはType-Sがないので要注意!
白モデル?墨モデル?
HHKBには、白モデルと墨モデルが存在する。しかも、白か墨かで、違う方式なのではないかというくらい打鍵感が変わってしまう。印象も全然違うので、これはよく考えて選んで欲しい。
※HHKBに採用される昇華印刷のキートップは、手汗やキートップの印字削れについてはどちらを選んでも心配の必要はない。
白モデルの特徴
・柔らかいタッチで表面はサラサラ。手汗の影響もなく、しかし指へのフィット感は良く、高級感がある。
・長期間の使用で黄ばみが出る可能性も?
・見た目がクラシック。美しい。しかし、人によっては古臭く感じる可能性もある。
・白筐体に黒の印字。印字が見やすく初心者も使いやすい。
・「スココココココ」と少し高めで軽快な音を奏でる
・他のキーボードからの乗り換えも手軽にできる。
墨モデルの特徴
・硬いタッチで表面はざらざら。手汗の影響は白モデル以上に受けにくい(個人的な感想)。
・黄ばみは聞いたことがない。
・見た目は圧勝。渋さは唯一無二。長く使ったものは、独特な光り方をするため、置いてあるだけでキーボードらしからぬ貫禄。高級品としての所有感は白モデルより圧倒的に上。
・黒筐体に黒の印字。印字は見えにくく、上級者向け。
・「カチャチャツッッツコツッツコツツツッ」とかなり硬く重めな音を奏でる。白モデルより打鍵音が僅かにうるさい(特にキートップが戻るときの音)。
・他のキーボードからの乗り換えでのハードルの高さはキーボード界でもトップクラス。
この記事は他のキーボードからの乗り換えで読む人が多いと思うので、ここでは白モデルをお勧めしておく。
ただ、HHKBの良さを知って2台目を購入する頃は使い慣れていると思うので、その時は墨モデルも試してみて欲しい。
総評:自分の必要な機能を見極め、今すぐ買うべし
失敗確率が一番少ないモデルとして、僕は「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 英語配列/白」をお勧めする。
しかし、最上級モデルHYBRID Type-Sの様々な機能は人によってはいらないものもあると思う。それは適宜判断をして欲しい。それによって、安く購入できる可能性もある。
わざわざ使わない機能にお金を払うのなら、他に欲しいものを買ったりするのが一番満足できると思うからだ。
試打について
できれば試打をしてほしい。そう思っているのだが、現在HHKBを試打できるのは数箇所しかない。
これから増えていくのだろうが、これは少なすぎる。欲しい人たちは全国にいると思うのだが。。。
HHKBを試打できる機会がある人は絶対にするべき。また、大型家電量販店に、HHKBと同じ静電容量無接点方式を採用しているキーボード「東プレ REALFORCE」が展示されている場合がある。打鍵感はかなり近いので、もしも見かけたら絶対に試打してほしい。
そもそもHHKBを購入して失敗する事例が少ないので、それほど心配しなくてもいいような気もするのだが。。。。
補足:どうしても迷った方へ
HHKBは究極のタイピング体験を提供してくれる数少ない最高級キーボードの一つである。
だからこそ、購入する人に失敗してほしくない。
基本的に迷うポイントはこの記事で網羅しているはずなので、あとは他のサイトを見たり、自分で「キーボードをどう使っているか、HHKBを買ったらどう使うか」などを考えながら、自分にぴったりのHHKBを手に取ってもらいたいと思っている。
ただし、どうしても選べないというなら、直感的に「これ良さそう」と思ったものを購入することをお勧めする。HHKBは、「モデルによって一長一短。逆にいえば、大体は失敗しない」とも言える。良いか悪いかの理解も、とりあえず手に取ってみないと何もはじまらない。とりあえず、興味を持った1台を購入してみてから、必要な機能の取捨選択をしていくのもいい選択肢だと思うのだ。
僕が白モデルを勧めても、墨モデルの見た目がいいと思ったら墨モデルを買った方が間違いなく幸せになれるし、僕がType-Sを勧めても、非静音モデルのメカニカル風な打鍵音に惚れたなら非静音モデルを買った方が10000000%幸せになれる。
それは、使う本人の満足感が高いほうがタイピングが楽しくなるし、楽しいと思えば思うほどタイピングが圧倒的に早く上達するからだ。そして、スペックが高い製品を使うよりも自分が気に入った製品を使う方が絶対に幸せになれるからだ。
※後で、アクセサリーに関しても記事を書く予定です。
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