
先日、新型MacBook Proの実機を触ることができた。その結果、実機を触る前の感想と、実機を触った後の感想は正反対のものとなった。今回は、その感想を伝えていこうと思う。
実は、とあるアップデートポイントに思った以上にときめいてしまい、物欲に火がついてしまった。そのため余談だらけになっているが、PCを使う上では本当に大事な要素のアップデートの比較をしているので、できれば最後まで読んでいただけるとありがたい。
1年程度リーク騒ぎがあった上位版MacBook Proがついに発表
この記事を執筆している今からほぼ1年前、Apple Silicon(Apple M1)搭載のMac3機種が発売された。そんな3機種が発売された直後、「コスパやばい!メモリ8GBでもいける!熱くない!これが答えだ!」と言うレビュー(実際はもうちょっと大袈裟だった)で検索上位が埋まったり、値段が原因でMacを避けていたWindowsユーザーさんたちが一斉にMacに流れ込むなどの異様な状況が連発する、いわゆる「M1フィーバー」が起こった。
そんなM1フィーバーが過激化する中、どんどんと噂されはじまったのが「上位版MacBook ProへのApple Silicon搭載」だった。M1はMacBook Air、MacBook Pro(下位モデル)、Mac miniと言うそれほど上位ではないMac3機種への搭載だったのだが、この3機種はIntel Macのかなり上位のモデルに匹敵するモンスタースペックだった。それだけに、「上位版MacBook Pro、M1X搭載でMac Pro並みのハイスペック!」と言うような上位版Macへの噂でも異次元のフィーバーが巻き起こった。
世界中のMacユーザーから凄まじい注目を浴びた上位版MacBook ProへのApple Silicon搭載。そんなApple Silicon搭載新型MacBook Proはわざわざ専用のイベントが設けられて颯爽と登場した。
リークのような異次元の性能上昇まではしなかったものの、大幅なデザインの原点回帰やApple Silicon搭載による大幅なスペックアップなどが行われ、まさに「ProのためのMacBook Pro」となった新型MacBook Pro。当然の如く、MacBookをヘビーに使い込む人たちから大歓迎して迎えられた。
ただ、個人的には・・・
イベントを見た時の僕の感想は、「なんだこれ。いつのPCだ?端子増えすぎだし、筐体も激太りしおったな。スペック高いだけで他は何の魅力もない。全然欲しいと思えないわ。」と言うものだった。
スペックは確かに高いものの、新型MacBook Pro(上位版)の中身というのは、実質「2015年版MacBook Proのスペックアップ版」だったのだ。
2015年からのMac大規模革新について簡単におさらい
2015年にUSB-Cのみ、超薄型バタフライキーボードの採用による超軽量ボディの無印MacBook 12インチが発売され、その後に発売されたMacBook Pro(2016)はMacBookの特徴を踏襲し、さらにファンクションキーの代わりにTouch Barと呼ばれる多機能ディスプレイが搭載された。その上MacBook Airのフルモデルチェンジの際もProの特権であるTouch Bar以外は全て搭載し、この流れを踏襲したため、MacBookのニュースタンダードが確立されて行くのだろうと誰もが思った。
しかし、無印MacBook 12インチは2017年モデルを最後に生産終了、2020年には度重なる訴訟やトラブルによりバタフライキーボードが廃止されMagic Keyboardに置き換わる。さらに新型MacBook Pro(上位版)では2015年に発売された無印MacBook 12インチから行われたUSB-C端子のみの搭載、Proモデルの特権として存在していたTouch Barまでもが廃止されてしまった。これによって、2016年から行われてきたMacBook Proの大規模革新は失敗に終わったように見え、最後に残ったのはスペースグレイのカラバリだけだった。
微妙な気持ちで実機を確認・・・
なんだか悲しかった。それもそのはず、3年半前、僕がApple信者になったきっかけは失敗作だ失敗作だとネット上で叩かれまくったことで有名なMacBook Pro 2017年モデルだったからだ。PCの概念を超えた美しすぎるデザインは、当時iPadとiPhoneしか知らなかった上にPCを「プラスチック製の使いづらいぼったくりガジェット」としか思わないなど酷い偏見を持っていた僕をとてつもなく驚かせた。
それもあって、僕はMacBook Proに異常な愛があった。そんなMacBook Pro 2017年モデルを購入し半人前くらいのApple信者になった後、当然のことながら昔のApple製品の存在、競合製品のWindows機や、スペックでは大幅に上回るAppleの新製品をたくさん知ったり見たりすることになったのだが、そんな中でもMacBook Proが一番だと言い切れる理由が一つあった。それが、「異次元のデザイン」だった。
こんな異次元のデザインを採用したPC、他に何があるだろうか。
iPhoneやiPadをはじめとするスマホやタブレットは進化を続け、一部のハイエンドモデルは「ほぼPC」として使えるようになった近年、PCはクリエイターなどの数少ないユーザー以外に出番は少なくなってきているだろう。実際僕の用途だってそうだ。ブログ執筆やブラウジングも今やタブレットでできること。なのに、なぜかこのMacBook Proには、なんだか手に取りたくなってしまう不思議な魅力がある。
macOS自体の完成度が非常に高いからなんてことは言うまでもないのだが、それ以外にも、この2016〜2019年版のMacBook Proだからこそと言える、ものすごくテンションをアップさせるさまざまな魅力がある。
以前、「Apple信者1億人創出計画」管理人のうぉずさんへもこのようなコメントをしていた。
僕が「2016〜2019年式の13インチMacBook Pro以上のノートPCは存在しない」と言えてしまう理由が、まさにバタフライキーボードをはじめとする、近未来感を感じさせるデザインです。
ノートPCなんて、今や特別な理由がなければ使わない物。スマホもタブレットも進化し、PCライトユーザーがどんどん進化系スマホ・タブレットに流れ込んでいくこのご時世、職業・趣味で使っている人以外はぶっちゃけPCなんて必要ないんです。
でも、あのMacBook Proだけは「今日の用途はMacBook Proじゃなくてもいいんだけどなぁ。。。あぁ。。。でも使いたい。やっぱりMacBook Pro使お。」ってなるんです。
そう思う理由があのデザインです。
一番の失敗作とも言われるこのMacBook Proですが、実用性・耐久性をも犠牲にしながら、最高の美しさとスーパーハイスペックの両立を追い求めたAppleには脱帽の一言。耐久性は犠牲にしたものの、最高の薄さと本体との一体感を作りだしたバタフライキーボード。不便だ不便だと言われながら、頑なに崩さず、新たなUSBの歴史を切り開いたUSB-Cのみの搭載。見慣れない超大型トラックパッド。22世紀のPCではないかと疑うようなTouch Barの非現実的な美しさ。バタフライキーボードも最初は製品としては失格の故障率でしたが、年月をかけて地道に改善されました。
そして、最初はボロクソに言われたTouch Barも、効率化アプリの開発によって段々と世間に認められてきているようにも思います。現行のMagic Keyboardを搭載するMacBook Proもデザインはいいですが、バタフライモデルと比べれば雲泥の差です。
打鍵感は改善されたものの、USB-Cのみ搭載のスッキリしたデザインを崩す凸凹キーボード、実用性という悪魔に魂を売ってしまったせいでフラットでは無くなった凸凹Touch Bar。あれは「Touch Bar」ではなく「Touch Switch」なのです。もう凸凹ができてしまった時点でそれは「Bar」ではありません。
確かに、実用性は高いです。しかし、これは「本物の」Apple製品とは言えない。現在のリーク通りに製品発表が進めば、これからのMacBook Proは2015年モデルのような実用性全振りのデザインに戻り、2016〜2019年のMacBook Proは最大の黒歴史として語られるようになるかもしれません。しかし、僕はこの非現実的なデザインを絶っっっ対に諦めないでほしいと思っています。
それこそが、「時代を牽引してきたメーカー」Appleとしてあるべき姿だからです。
またいつか、忘れた頃にバタフライキーボードを搭載した激薄Macが「ただいま。」と帰ってくる。そんな日を、愛機MacBook Pro2017とともに待ち続けようと思っています。。。。あ、これ記事にすればよかった(´;ω;`)ブワッ
「第四世代バタフライキーボードの開発は続けてほしかった。というApple信者兼キーボードオタクの戯言【ぼちぼち更新!りんごの木(469日目)】」に僕が書いたコメント
まさに今、MacBook Proが2015年モデルのような実用性全振りのデザインに戻り、2016〜2019年版MacBook Proが最大の黒歴史として語られる可能性が非常に高くなってしまったという個人的に最悪の状況でこの内容に触れた記事を書くことになった。。。(´;ω;`)ブワッ
しかし、新型MacBook Proのことはもちろん気になるので、実機を触れるタイミングを模索していた。そして、ついにその日が来た。正直テンションは高くなく、Appleの新製品を触る日としては過去一番クラスのローテンションのまま実機を確認したその結果は、、、
感想その1:強烈なWindows PC感
新型MacBook Pro(上位版)では大幅なデザイン変更が行われた。大型筐体、USB-C以外の端子の採用、Touch Barの廃止などがメインだが、それはまさに2015年モデルへの逆戻りという形である。
僕はMacBook Pro(2015)の生産が終了する1ヶ月くらい前にApple信者になったので、2015年版は実機を2回程度しか触ったことがない。そのため、残念ながら2015年版との比較は簡単なところでしかできない。だが、2017年モデル以降の実機は全て触っているので、それらの経験からこの実機確認レビューをしていこうと思う。
まず、目に入ってきたのは、想像以上に大型化したユニボディ。
「Apple信者1億人創出計画」の読者さんレビューで見た以上に、実際に見てみると大きく感じる。
何だか、「Windows PCに近くなった」感じがした。まぁ、新型Macが上位互換であることは言うまでもないのだが。
「Apple信者1億人創出計画」で行われた読者さんレビューはこちら↓
「14インチMacBook Proのレビューを6名分集めてわかった47のこと」
「16インチMacBook Pro(M1 Pro, Max)のレビューを2名分集めてわかった18のこと」
持ち上げてみると、手首が折れるのでは?と思ってしまうほどに重い。強烈な重さだ。それは、端子の増加、製品の耐久性改善、バッテリー持ちや排熱の改善など、さまざまな部分をプロの用途に耐え切れるよう改善した結果だ。とはいえ、14インチでも持ち運びはギリギリ、16インチの重さは滅多に外出する人以外は許容できないのだろうかと感じる。
しかし、MacBook Pro 13インチ、HHKB+パームレスト+キーボードブリッジ、一体型USB-Cハブ(これから購入予定)をセットで扱う僕の場合、13インチでも大体2kgほどになる。それを他ポートとMagic Keyboardでカバーできる新型MacBook Proの方が実質的には軽量だとも言える。性能にも影響しているアップデートがあることを考えると、新型MacBook Proの方が明らかに重量対パフォーマンスは高いといえたりする。これまでのMacBookでアクセサリーを大量に持ち運んでいた人たちには見逃せないアップデートではないのだろうか。
ぼってりと大きくなった筐体にたくさんの端子の穴がある。それはシンプルさとはかけ離れたものだが、大きな筐体と合わさって、無骨ながらも凄まじいオーラを放つ。ガジェオタは無意識にウホウホ🦍してしまう要素ではないだろうか。
しかし、背面のりんごマークは光らないままであったりディスプレイ下の「MacBook Pro」ロゴが消え謎のノッチが追加されたりTouch Barが消えたりと何だか遊び心がなくなってしまったような気もする。PCとしては100点満点中120点だが、Macとしてもう少し遊び心があってもよかったのではないだろうか。実は24インチiMacの際にも遊び心が足りなくなってきていると感じた。あの時も、ディスプレイの顎は残ったのに、カラバリは追加されたのに、なぜかそんなディスプレイの顎部分のりんごマークが消えてしまったのだ。ユニボディ以外はMacをパクった中華PCとそれほど変わらないと言う状況。。。(´;ω;`)ブワッ
ここ最近のAppleの路線なのだろう。はっきり言って、いい流れだとはいえないと感じる。このご時世、もうPCでなければできないことなど本当に少ないのだから、スペック以外でも「Macが欲しい」と思えるような要素がなければいけないと思う。デザインはその筆頭。だからこそ、もう少し遊び心が欲しい。
感想その2:Magic Keyboard×重量増加×改良された底面ゴムの組み合わせがキーボードオタクを唸らせる
さて、ここからは(自称)キーボードオタクの本領を発揮し、新型MacBook Proのキーボードについて熱弁していこうと思う。
僕は初代REALFORCE、HHKB×2をはじめとし、7台のキーボードを所持している。実は、MacBook Proのキーボードは超絶酷評されたバタフライ時代から非常に打鍵感が良いものだと感じている。その理由は筐体だ。
実は、REALFORCEとHHKBでも全然打鍵感は違う。打鍵速度が上昇していくに従ってREALFORCEの方が正確性が上昇していくのだ。それはなぜだろうと考えた結果僕なりに出た結論は、「内部の鉄板の有無による差」だった。REALFORCEの重量はMacBook Pro 13インチとほぼ同じ。その恐ろしい重量の理由は、キーボード内部の鉄板。その鉄板の重さにより、高速打鍵をしても筐体に暴れがなく落ち着きがあり、それによって正確性も高くなり疲れにくくなる。
一方MacBook Pro。他社のWindows PCが軒並み1kgを切る中、ここ5年のMacBookシリーズで1kgを切ったのは前述の無印MacBookだけ。ノートPCでは「重さは敵」とみなされることが非常に多いが、「キーボードの打鍵感は重さがある方が安定感が増す」という側面があり、実際酷評が多かったバタフライ時代でもMacBook Proの剛性感はノートPC界最高クラスだった。
バタフライキーボードからMagic Keyboardへ移行した際は、デザインが劣化した分キーストロークは圧倒的に深くなり、もはやヘビータイパー以外は外付けキーボードの購入は必要ないと断言できるような打鍵感を持つようになった。そして、新型MacBook Pro(上位版)は重量も大幅に増加しているため、凄まじい期待を持っていた。
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やばい。なにこの打鍵感。これ、外付けキーボードで販売して欲しいわ。
Magic Keyboardの快適性は相変わらず、それに重量が増えたことによって上昇したキーボード剛性が素晴らしいコンビネーションを発揮している。
新型MacBook Proのキーボードは、まさに「パンタグラフ版REALFORCE」と言って問題ないほどの、安定感のある高速打鍵ができる。「散財が止まらなくなる可能性の高い外付けキーボード沼に手を出さなくて済む」というメリットからするとこの値段は安いのでは?とも言えるくらいだ。
もう一つ安定感に貢献しているものがある。それは、「底面のゴム面積」。HHKBに吸振マットを装着することによってさらに安定感のある打鍵ができるようになるのと同じことだと想像するとわかりやすいと思う。先端が尖ったゴムから平坦なゴムに改良されたことでゴムの設置面積が増加し、より打鍵衝撃を緩和することができる。
ここまで挙げてきた3つの組み合わせが本当に絶妙。ノートPC界最強クラスの打鍵感だと言える素晴らしいもので、まさに「ノートPC搭載キーボード界のREALFORCE」と言っても問題ないと言える打鍵感だ。これだけ熱弁してきたキーボードの話だが、実は公式サイトでは全く言及されていない。おそらく他の改良要素が原因でたまたま起こった変化だからだと思われるが、購入を検討している人はぜひキーボードにも注目してほしい。その打鍵感の良さに踊ってしまいそうになるほどだからだ。
感想その3:ディスプレイは一長一短
ディスプレイの画質が良くなったかどうかは、はっきり言ってよくわからない。しかし、多少刺激が減って疲れにくくなったような気がする。2017年モデルは色味によっては刺激が強くなる時があるが、新型MacBook Proでは刺激が少なくなった。
ノートPCのディスプレイはあまり使わないで外付けディスプレイをメインで使うという人もいるだろうが、ノートPCを単体で使う機会がない人というのはほぼいないだろう。僕の場合でもリビングではMacBook Pro(2017)を単体で使う場合がほとんどだし、外出先でもMacBook Pro単体での使用が多いだろう。それならディスプレイの刺激が少なく疲れにくいというのは大きなメリットになるのではないだろうか。
しかし、それを相殺してしまうような悲しいデメリットもある。それが、ベゼルレスディスプレイだ。
ベゼルレスディスプレイの採用によって13インチから14インチにディスプレイサイズが大型化したわけなのだが、ディスプレイ下の「MacBook Pro」のロゴが消えてしまったし、何と言ってもノッチに違和感しかない。見慣れれば違うのだろうが、使い方によってはものすごい違和感を感じる可能性もあると思う。iPhoneだってホームボタンがあった時代の方が見た目は整っているように思えたし、それくらいは想像できたのではないだろうか。しかも、iPadはベゼルレスにしてもノッチがないディスプレイにできたのだから、Macにもこれまでのベゼルレス化の技術を活かしてもう少しデザインに配慮できなかったのか。。。(´;ω;`)ブワッ
余談:MX Keysと比較
先ほど絶賛したキーボードだが、MacBook Proの実機のそばにたまたまLogicoolのMX Keysがあったので叩き比べてみた。
MX Keysって何?
僕が(自称)キーボードオタクになるきっかけとなった「Apple信者1億人創出計画」のうぉずさん(Youtubeではぬふぬふさんと呼ばれる)も購入し絶賛していたのがLogicoolのMX Keys。
ぬふぬふさんのレビューを見ればわかると思うのだが、パンタグラフキーボードとしてはかなりの重量級。高級メカニカルキーボードに匹敵するほどの剛性感とLogicoolお得意の他OS使用環境への配慮があいまって、まさに外付けパンタグラフキーボードとしては最高クラスの一品となっている。
ノートPC最強パンタグラフキーボード VS 外付け最強パンタグラフキーボード
というわけで、(自称)キーボードオタクとして直接対決させずにいられないパンタグラフキーボード界2大巨頭の比較を行なってこうと思う。
まず剛性感についてだが、ほぼ同等、どちらも最高品質に感じた。どちらもパンタグラフキーボードにしては重すぎる部類に入るのだが、やはり長時間タイピングにおいて重さは正義。ズシッとした安定感が異次元の安定感を実現させる。
この2台、iMacに付属しているMagic Keyboardを圧倒する剛性感を持っている。MacBook Proのキーボードは外付けモデルのスイッチを搭載したという趣旨の説明があったが、剛性感は明らかにMacBook Pro搭載のキーボードの方が上。やはり薄い外付けキーボードと極厚ノートPCの重量差だと思われる。MX KeysもさすがLogicoolと言える凄さ。パンタグラフキーボードで長時間タイピングをしたいならこの2機種のどちらかが間違いなくおすすめ。
デザインはMacBook Proの方が美しいと思う。しかし、MX Keysの方はmacOS以外のさまざまなOSに対応しており、それでありながらも使い心地に影響は与えず、素晴らしいデザインを作っている。
完成度の高さとしてはMX Keysの方がわずかに上だろうか。
ここからは、いよいよ打鍵感の比較。MacBook ProはノートPC界のREALFORCEと言っても良いほどの安定感のある打鍵ができ、長時間のタイピングでも間違いなく疲れないストロークが確保されている。一方、MX Keys。MacBook Proと同程度かわずかに深いキーストロークが確保されており、なんとキートップにくぼみをつけるという最高級キーボード顔負けの至れり尽くせりな機能が搭載されている。総合的に判断すると、打鍵感はMX Keysの方がわずかに上と言える。
この2台の勝負は引き分けといったところか。ちょうどノートPCを買うタイミングなら、キーボードのためだけでも新型MacBook Pro(上位版)を買うべきとも言えるし、さまざまなOSで最高のパンタグラフキーボードを使いたいのならMX Keysを今すぐ買うべきだとも言える。パンタグラフキーボード浅めのキーストロークは他方式のキーボードとは別物の打鍵感覚だからこそ自分に合うものが見つかりにくい。しかし、ノートPCや他OSで使用できる外付けキーボードで最高級の打鍵感を享受できるのならキーボードが使いにくくて困る人や高級キーボードに高額散財しすぎてしまう人も減っていくだろう。この2台がこれからのキーボード界に及ぼす影響と、さらなるアップデートも楽しみでしょうがない。
※どちらも欲しいと思ってしまったことはもちろん内緒。
総評:新型MacBook Proの見どころはスペックではない
新型MacBook ProはIntelチップからApple Siliconに移行したことによるスペック&コスパアップが注目されがちだが、実はあまりアピールされていないところにこそ、このガジェットの魅力が詰まっているのではないかと感じた。デザイン買いにはならなさそうなぼってりした見た目だし、スペックは確かにすごいものだけど一般ユーザーには必要ない。はっきり言って、一目惚れ購入とは程遠い。しかし、疲れにくいディスプレイ、最高級のキーボード、さらには実機周りが混んでいて確認できなかったが良い噂が多い高音質スピーカーなど、プロユーザーだけではなく一般ユーザーにも大きく関わるアップデートポイントもある。
一般ユーザーですら1日数時間PCを触る世の中になった。だからこそ、スペックだけではなく、ディスプレイやキーボード、スピーカーなどにも注目して、いつの日かこの記事をここまで読んでいただいたあなたも新型MacBook Proに触れてみてほしい。なぜなら、Macには人生を変えてしまうほどの魅力があるからだ。
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